『屍鬼』『十二国記シリーズ』でおなじみ、小野不由美先生の本格ホラー小説が、映画化されました。1/30から全国公開のこの作品について、ご紹介したいと思います。
普通のホラー映画じゃないの?
まずはこちらの予告編をご覧下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=JHtyWAkX3zo
この作品は、実は『残穢』(新潮文庫)と『鬼談百景』(角川文庫)二冊刊行されているのですが、その二冊がセット、と捉えていただいてほぼ間違いありません。
『鬼談百景』は、作者の小野先生自身の元に集まった恐怖体験談をまとめた本であり、さらにその中のひとつの話を掘り下げ取材した話が『残穢』となっています。
ホラーとは言っても、小野先生自身がとにかく疑い深く、簡単に「おばけだ」と認めることはしません。主演の竹内結子は、「小説家の私」役ですが、この役はそのまま小野先生を指します。
本来「もうこのへんで、おばけってことで終わらせておこう」という取材を、何年にも渡って諦めずに探っている様子は、もはやホラーというよりも、犯人探しをするミステリーのようです。
貞子や伽耶子のようなおばけは出てこない
この作品は、いわゆる「リング」の貞子や、「呪怨」の伽耶子のような、特定のおばけに呪われてしまう、みたいな作品ではありません。
そのため「どこで」「どんな理由で」怪異現象が起きるのか、探るところから始まります。そして、様々な伏線が回収されたとき、真実の恐怖が浮かび上がります。
それは、映画を見ている人が「ああ、私は大丈夫だろう」というところから、真っ逆さまに「もしかして私も?」に落とされる恐怖です。今までにない新しい感覚の恐怖体験ができる作品です。
MOVIX仙台ほかで、1/30から公開です。是非、劇場へ足をお運びください。